【学生団体】から法人設立!株式会社WADAIKU【スタートアップ】

本記事で紹介する株式会社WADAIKUは、創業者(現代表)の和田貫汰さんが、大分大学 理工学部 創生工学科 建築学コース在学中の2020年に立ち上げた「学生団体WADAIKU」が発展して、2024年11月に法人化されたスタートアップ企業です!

多様な学生活動から起業に至り、株式会社となった現在も多くの大分大学現役大学生がスタッフとして運営に関わるWADAIKUは、学生たちの夢を実現する場であり、学生に雇用を提供する事業体です。本記事では取材を通して代表和田貫汰さんからお聞きしたWADAIKUの現在までと2025年度展望を紹介します。

城下町から、カフェと塾で町おこし!「WADAIKU」

■代表 和田貫汰さんのプロフィールと現況

広島県出身。高校在学中から「空間をつくる。まちをつくる」ことを志向して都市計画や建築を学ぶため、2018年大分大学理工学部創生工学科建築学コースに入学。2020年に学生団体WADAIKUを主催、学友たちと音楽イベントや飲食店経営を展開。自身はNASA留学(HASSE SPACE SCHOOL)、フィリピン・マニラアテネオ大学短期留学を経て、九州・大学発ベンチャー・ビジネスプランコンテストに参加し、優秀賞を受賞するなど起業につながる経験を積んできた。

建築系の活動としては、2021年WADAIKUリノベ部を発足して、賃貸物件のリノベーションを展開、2022年3月に竹田市で現在WADAIKUが入居している3階建ての中古倉庫物件に出会い、早速、賃借契約を結んで活動拠点とした。

中古倉庫を「THE 3RD PLACE TAKETA」として、各階をリノベーションしていく「竹田プロジェクト」を始動し、2022年7月、交流人口の拡大と将来を担う人材育成を目的に「竹田カフェ」と「竹田塾」を開業した。事業企画は学生団体メンバーの発案により、法人化の際に学友2名は取締役に就任して現在も運営にあたっている。

2023年4月、大分大学卒業後に「THE 3RD PLACE TAKETA」のオーナーでもある、竹田市の総合建設業、株式会社高山組に入社して竹田に完全移住。

以降、平日は株式会社高山組に勤務しながら、WADAIKU運営を両立し、二級建築士など資格試験に挑戦。見事合格して資格取得を果たしている!

2024年11月1日、株式会社WADAIKUを設立。代表取締役に就任して、事業運営に関わりながら経営マネジメントを進めている。「竹田カフェ」と「竹田塾」、大分大学生のための情報サイト「ダンノハル.com」を株式会社WADAIKUの事業とし、学生団体として進めていた非営利活動は大分大学生に委ね、アドバイザーとして支援をしている。

 

上図が株式会社WADAIKUの事業内容です。

拠点「THE 3RD PLACE TAKETA」1階に「竹田カフェ」を開業、3階に「竹田塾」、2階はレンタルスペース的な空間として活用し、屋内キャンプ場「TAKETA CAMP」開催の場となります。

竹田塾は2025年4月現在、竹田本校・豊前教室・三重教室の3教室展開ですが、店舗展開を進めていく方針としています。受験対策の学習塾で講師は大分大学の学生達を採用しています。

代表取締役 和田貫汰、専務取締役 中岡風斗、常務取締役 山野友大はともに大分大学OB。設立当初スタッフは15名で取締役以外は現役の大分大学生。新年度を迎えてスタッフ増員が決定しています。

経営理念は「未知の世界へ」「“したい”を“できる”に」。

学生団体当時からの方針であり、WADAIKUの事業は学生の「やりたい」を実現したものです。

はじまりは学生100名を集めた音楽イベントから!

代表 和田貫汰さんは元々「なんでもやってみたい」気持ちが旺盛です。それは「自分ひとりでやってみたい」のではなく、小中高大と続けてきた野球や趣味の音楽活動も仲間達が集まって共に実現するものばかりでした。故郷から大分大学に入学して、ますます「やりたい気持ち」は強くなり、多くの学友に出会い、学生団体を立ち上げることになりました。

学生団体WADAIKUが最初に取り組んだ大型イベントは、2020年8月16日に黒島(大分県臼杵市)を会場として開催した「MUSIC CAMP」でした。

自然が溢れハワイみたいに美しい黒島に学生が多数集まって、音楽フェスをメインに、現地の方々とボランティア活動に取り組んだり、海水浴やBBQを行ったりするイベントです。他大学からも広く参加を募り、学生100名が集まり、盛況なイベントになりました。

最初に全てが決まっていたわけではなく、たくさんの学生を集めながら、ステージで演奏したい人やカラオケで歌いたい人などを声掛けし、やりたいことを実現していくために充実した企画が生まれていく。人が集まることで資金やアイデアが集まり実現する。

この時一緒にイベントを実施した学生から、後に発足する「英会話サークル」、「プログラミングサークル」が生まれ、飲食担当が「キッチン部」へ。音響担当が「イベント事業」へ。建築学コース有志で「リノベ部」へと活動は拡大していきました。

新型コロナを背景に発展?大分大学生に対する情報サービスと学生動員力!

学生団体WADAIKUが活動開始した2020年は新型コロナウィルスが全国で猛威を奮った年でした。大分大学でも例外なく公式な交流活動が抑制されましたが、学生団体WADAIKUが独自に運営するWEBサイト、「ダンノハル.com」は「大分大学生による学生のための情報サイト」と銘打ち、不動産会社をスポンサーとして賃貸物件を紹介したり、「食べる・遊ぶ・暮らす・まち・大学・サービス・質問」といった各項目の情報を提供したりすることで、1,500名の学生が閲覧するサイトに成長し、200名もの学生がオープンチャットに参加するなど学生団体が運営するWEBサイトとしては、例がない発展を遂げました。

現在では「ダンノハル.com」に広告掲載するメリットが浸透し、総合資格学院や自動車学校、飲食店なども協力スポンサーになりました。また学生バイトの募集広告掲載が事業化できるようになりました。

反面、大分大学では新型コロナ対策によって学園祭が中止となり、連綿と続いてきた「大学祭実行委員会」の活動引継が途絶えてしまい、学園祭開催が困難となっていました。再び学園祭を実施するために学生団体WADAIKUに協力要請があり、2021年より「学園祭戦略本部」を立ち上げて、企画・運営や情報発信で大分大学学園祭を盛り上げる活動を担うようになりました。

これらに非営利で農業体験を行う「学生農園」を加えた3つが、大分大学生主体で進めている活動です。「ダンノハル」は株式会社WADAIKUが広告募集を行い収益事業化していますが、サイト運営は学生スタッフ中心に行っています。

株式会社WADAIKUの事業展開と今後の展望は?

■竹田市を拠点に選んだ理由

代表和田貫汰さんは、大分県が実施する「旅する学校おおいた」という体験プログラムに参加しました。それは大分県全域のまちづくりに関わる方と交流できるものでしたが、偶然、竹田市を巡る機会があり、現在入居している中古倉庫物件に出会ったそうです。物件オーナーは、現在、和田貫汰さんが勤務する株式会社高山組でした。

高校生の頃から人が集まる空間づくりを志望して、大分大学の建築学コースに入学していた和田貫汰さんには、安く借りられそうな物件や周辺環境、竹田で出会った地域の人々がとても魅力的に見えたそうです。

「未知の世界へ!」思いつきを即断即決に変えて、早速物件を賃借する契約を結び、学生団体WADAIKUの拠点としてリノベーションしていくことを決定したそうです。

どうすれば人が集まる空間にできるか?まちづくりに寄与できるかを検討して設計を進め、リノベーション計画を組み、竹田市を訪れる人々に提供できる憩いの場であり、語らいの場となるカフェを開業することになりました。

竹田は城下町で商店街は平日営業、土日休みがほとんどです。日帰り観光客は大半が土日・祝日に訪れるため休憩する場がなく、行き場を失っています。そこで竹田カフェは、土日・祝日に開店することにしました。それならば大分大学の現役大学生で店舗運営することが可能です。自分でカフェをやりたい学生を募り運営を任せます。

土日・祝日の営業だけでは収益性に乏しいという問題点もあり、単価を上げるためにオリジナルメニューを開発したり、コーヒー豆を販売したりすることになりました。

法人向けのコーヒー豆販売は「TAKETA ROASTERY」の屋号で別事業として、道の駅や生協にアンテナショップを設定して販売したり、ギフトとして企業に販路を拡大したりする工夫をしています。現在、航空会社のソラシドエア等と取引を開始しており、オンラインショップによる通信販売も始めています。

竹田塾は受験に特化した学習塾で、一斉授業と個別指導のハイブリッド型学習塾として開店しました。火・水・木の夜間と土曜日午後から夜22時までを開業時間としています。生徒は竹田教室、豊前教室、三重教室を合わせて約40名ですが、2025年中に5教室に拡大していく計画です。

塾講師は大分大学生を採用するため、大分大学から各教室にチャーターバスを手配して、移動・運営できる体制にしています。

大分県民は地元志向が強くて、保護者も生徒も県外を余り意識していない傾向を感じていますが、塾講師やカフェスタッフをしている大分大学生は、県外から来ている者が多く、他所から来て大分や竹田を気に入って移住しているケースが多く、大分県や竹田市はそれだけ魅力ある地域だと感じています。

そこで、竹田塾の生徒たちには、よりレベルが高い高校や難関大学に進学してもらい、広い視野を持つためにも東京や大阪などの大都会にでる経験を積んでもらい、将来は地元に戻ってきて活躍して欲しいという気持ちで指導しています。保護者にも「生徒の、そしてまちの将来のため」という視点でお話することが重要なポイントになります。

現在は竹田カフェと竹田塾を開店して毎週火曜日から日曜日まで6日間は「THE 3RD PLACE TAKETA」が稼働しています。また平常営業以外にも竹田カフェの特別企画やTAKEDA CAMPの開催、レンタルスペース活用などで、常に多くの学生や観光客が集い交流する空間として育てていく方針です。

竹田プロジェクトを開始して、1年目は売上1000万弱でしたが、2024年度は1700万になり目標を達成しました。2025年度は竹田塾の教室拡大やTAKETA ROASTERYの販売促進他で売上増進して、売上目標4500万円としています。

スタッフも大分大学生から10名ほど希望者が出ており、倍増間近と思われますが、和田貫汰さん自身は社長業に徹して、事業運営はスタッフに任せていく方針です。もちろん新しい企画や事業アイデアは歓迎しています。

自和田貫汰さん自身は、箱をつくる建築ではなく、人が集まる空間づくり・まちおこしの手段として建築を考えており、人生を通して関わっていきたいとのことでした。

学生団体時代から音楽イベント開催や韓国料理の販売、クリエィティブ事業、教育事業など多くのチャレンジを試行してきたWADAIKUは、これからも「未知の世界へ」をビジョンとして新しい挑戦を続けていくことでしょう!

株式会社WADAIKU 各種情報

代表取締役

和田 貫汰 (大分大学 理工学部 創生工学科建築学コース 2023年卒業

代表メールアドレス : wada.kanta.wadaiku(a)gmail.com

※迷惑メール対策で@を(a)に変えています。連絡の際は修正をお願いします。

各種URL

・WADAIKU公式ホームページ 

・IWADAIKU公式インスタグラム(wadaikuofficial )

・竹田カフェ公式ホームページ

・竹田カフェ公式インスタグラム(taketa_café)

・竹田塾公式ホームページ

・竹田塾公式インスタグラム(taketa_juku)

・ダンノハル.com 

※本記事に掲載した図版、写真は、株式会社WADAIKU提供によるものです。

 

(本記事は、総合資格naviライターkouju64がインタビュー取材を行い、記事構成しました。)