積水ハウス2025年1月期決算は売上高が4兆円を突破!営業利益は3千億円超!【住宅業界NEWS】

積水ハウス株式会社は1月末決算となります。2025年6月13日に第一四半期(2025年4月期)決算報告が行われたところですが、総合資格ナビ読者の皆様はインターンシップ参加や業界・企業研究を進めているところだと思いますので、本記事では、前回お知らせした「大和ハウス工業2025年3月期決算」に続き、業界売上2位となる積水ハウスの2024年度決算結果について紹介します。

出典は、2025年3月6日に開催された「2024年度決算・25年度経営計画説明会」資料(以下、決算報告書)となります。

積水ハウス2024年度連結決算は、売上高が初の4兆円突破。前年度比プラス30.6%

積水ハウスの2024年度連結決算は、2024年4月に買収、子会社化した米国の大手住宅ビルダー・MDC社の連結化などにより、売上高が前年度比30.6%プラスで、初の4兆円超えとなり、営業利益は22%増の3000億円超となりました。その他、経常利益、当期純利益等、全指標で大幅伸長し、市場が冷え込む国内戸建住宅事業を含む全セグメントで増収増益となり、過去最高益を更新しました。

下表は、第74期決算報告書に記載された「業績報告/決算ハイライト」から構成しています。

積水ハウスでは、2025年度を第6次中期経営計画の最終年度としていますが、基本方針を「国内の安定成長と海外の積極的成長」としており、この両輪をバランスよく推進していくことを目標に掲げています。

国内の安定成長を支える請負型ビジネスの柱として、戸建て住宅事業を据えていますが、物価高や資材高騰など厳しい状況が続く中で、増収増益が達成できたとしています。海外展開では、4月に子会社化した米国大手上場ビルダーのMDC社を含めた4社のビルダーで米国戸建て事業を展開し、現地で主流の2×4(ツーバイフォー)住宅に加えて、自社木造住宅ブランドの「SHAWOOD(シャーウッド)」をカリフォルニア州の分譲地サマーズベントで販売開始し、今後はさらに販売エリアを拡大していきます。

■2024年度建築戸数(国内・海外)

2024年度の国内建築戸数は31,615戸で、国内累積建築戸数は264万9,752戸になりました。また海外建築戸数は13,039戸で、海外累積建築戸数は5万7,085戸です。積水ハウスは決算報告書のなかで、世界一の「顧客基盤」と表現していますが、戸建て、マンション、事業施設をはじめとして、新築分譲・賃貸を主とする事業展開では、多くの建築実績が今後の安定的な売上や利益に通ずるものといえるでしょう。

売上構成比やセグメントごとの売上高、営業利益の状況は次項で紹介します。

積水ハウスの2024年度売上構成比とセグメントごとの通期売上高・営業利益の状況

■請負型ビジネス(戸建て住宅、賃貸事業用建物、建築・土木)

請負型ビジネスとは顧客保有の土地に住宅や事業用建物を提供するビジネスの総称としています。2024年度は売上高1兆3,490億円で総売上の32.9%を占め、営業利益は1,430億円で43.1%を占めています。

戸建て住宅は耐震性能向上やZEH化など環境性能を高めた高付加価値提案で受注を伸ばしています。賃貸・事業用建物は法人向けの建物を中心に受注が好調で、建築・土木は受注チャネルの拡大により着実に受注を獲得しています。

■ストック型ビジネス(賃貸住宅管理、リフォーム)

ストック型ビジネスとは賃貸住宅の管理事業やリフォームを通じたビジネスです。2024年度売上高は8,709億円で総売上の21.3%を占め、営業利益は834億円で25.1%を占めています。賃貸住宅管理は管理室数が順調に増加し、リフォームは資産価値を向上させるリノベーションなど、大型案件増加が増収に寄与しています。今後も安定成長継続が見込めるのがストック型ビジネスの特長です。

■開発型ビジネス(仲介・不動産、マンション、都市再開発)

開発型ビジネスはデベロッパーとして、魅力的なエリアで住宅用地や高品質マンション、事務所ビルなどを開発していくビジネスで、2024年度売上高は5,825億円で、総売上の14.2%を占め、営業利益は7024億円で21.1%を占めています。

仲介・不動産は宅地分譲の成長で増益となり、分譲マンションとともに優良物件のエリア集中展開で販売が好調です。都市再開発は物件売却益が増加し増益となっています。

■国際ビジネス

国際事業は2024年度売上高1兆2,785億円で、総売上の31.2%を占めており、営業利益は789億円で23.8%を占めています。国内で培ってきた高品質、先端技術を活かした商品展開で海外住宅ニーズを開拓していく展開です。

2024年度はMDC社の連結化など米国市場の寄与が大きいですが、販売展開当初は米国型の2×4住宅主体であるのに対して、米国大型ビルダーの販売力、施工力を活かして、今後は自社ブランド商品の現地展開を進めていくため、さらなる増益が見込める事業です。2024年度の豪州展開は開発事業の減収に伴い減益となりました。

積水ハウスの2025年度通期計画(2026年1月期見通し)について

積水ハウスは2021年度から2025年度まで、第6次中期経営計画(5ヵ年計画)に取組んでいます。最終年度となる2025年度の業績見通し(通期計画)は、中期経営計画が掲げる「国内の安定成長と海外の積極的成長」によって、売上高4兆5千億円(対前期比10.9%増)、営業利益3,620億円(同9.2%増)、営業利益率8.0%(同0.2%下落)、受注高4兆6千億円(同13.5%増)を計画して、売上高・営業利益の最高値更新を狙っています。

下グラフは2021年度以降の連結決算(売上高・営業利益・当期利益・通期配当金) 推移に2025年度計画を加えたものです。

積水ハウス決算報告において、2025年度は『積水ハウスグループのコアコンピタンス※のひとつ、「顧客基盤」の一層の強化」、「国際事業では、グローバルビジョンである「わが家」を世界一幸せな場所にする」の実現に向けたサブビジョン「積水ハウステクノロジーを世界のデファクトスタンダードに』するための体制づくりを本格化する」としています。

(『』内、積水ハウス決算報告書より引用)

※コアコンピタンスとは

コアコンピタンスとは、企業が持つ独自の強みや武器、他社には真似できない重要な能力のことです。

出典:積水ハウス株式会社 第74期(2024.02.01-2025.01.31)報告書

 

(本記事は、総合資格naviライター kouju64が構成しました。)