「四足歩行ロボットでトンネル工事の安全性を革新」鴻池組が危険個所で遠隔観察実用化【建設DX】

株式会社鴻池組は、トンネル工事の危険個所において、株式会社ポケット・クエリーズと共同で、四足歩行ロボットの遠隔観察システムの実証実験を行ったことを発表しました。本記事は2025年7月7日付、同社のプレスリリースから、情報を紹介します。

ロボットが危険個所で画像撮影、遠隔操作で作業員の安全確保が可能に

トンネル工事では、切羽(きりは)と呼ばれる掘削面の状況確認が工事進捗には不可欠ですが、この観察作業は落石や崩落の危険を伴う場所で行う必要があり、作業員の安全確保が大きな課題でした。

鴻池組では、以前よりポケット・クエリーズ社と共同でロボット技術開発に取り組んでおり、今回、危険個所に人が立ち入ることなく、遠隔で観察できるシステムの開発に着手しました。

開発で目指したシステムは、四足歩行ロボットに高性能カメラを搭載し、ライントレース機能により自律走行する技術です。このシステムは危険箇所でも安定した歩行が可能で、鮮明な画像データを取得できるものです。

実証試験では、従来の人による観察と同等の精度で切羽状況を把握することに成功し、その結果、作業員の安全リスクを大幅に軽減しながら、効率的な観察作業を実現することができました。

このシステムにより、これまで作業員が直接立ち入っていた危険な場所での観察作業を遠隔で行うことが可能になり、建設現場の労働安全向上に大きく貢献することが期待できます。

今後、四足ロボット活用の切羽観察システムはさらなる発展に取り組む

鴻池組は、今後もポケット・クエリーズ社と共同で、AIによる切羽評価システムを導入し、取得した切羽画像から切羽状況を自動で評価する機能や、今回のライントレース機能に加えて3D-LiDARによる自己位置推定機能を開発することで、より高度な切羽評価と自律走行技術の確立を目指していくとのことです。

これらの実用化が進めば、トンネル工事の安全性向上と作業効率化を両立することができ、建設業界のDX推進にますます貢献していくことでしょう。

出典:鴻池組プレスリリース

 

(本記事は、総合資格naviライター kouju64が構成しました。)