国土交通省が「J-HAB」を設立、住宅・建築海外展開を官民連携で強力に推進します!【建設NEWS】

2025年11月26日、国土交通省は、日本の住宅・建築分野における海外展開を官民連携により強力に推進するため、「住宅・建築海外展開連携協議会」(通称:J-HAB)を設立することを発表しました。

この協議会では、対象となる国や地域ごとに企業の課題やニーズを吸い上げ、その解決策として「アクションプラン」を策定し、これに基づく戦略的な取組を推進していきます。

「住宅・建築海外展開連携協議会(J-HAB)」設立の主旨

近年、経済成長と人口増加に伴って、住宅不足の問題が多くの国において社会的な課題となっており、アフォーダブル住宅(取得しやすい手頃な価格の住宅)の必要性が増しています。

このため、高品質な生産体制を有する日本の住宅産業にとって、海外展開を進める大きなチャンスとなっています。

一方で、海外展開にあたっては、個々の民間企業だけでは解決が困難なビジネス障壁など様々な課題が存在しています。

そこで、同協議会では、民間企業だけでは解決が困難な海外展開上の諸課題に対して、戦略的に取り組むためのハブ(Hub=中核・集約点)としての役割を構築して、官民が連携して、住宅・建築分野の海外展開を推進していくことを狙いとします。

協議会の構成メンバーなど、組織体制は下図の通りです。

国が多様な関係機関や関係者の「ハブ」となって、官民の連携体制を構築し、各国・地域ごとの課題や障壁等の解決に向け、戦略的に取り組むことにより、新たな体制・仕組みの下、住宅・建築分野の海外展開をオールジャパンで強力に推進していく意味を込め、「ハブ」の音には、海外展開の推進にあたり、多様な関係者の間に入ってつなぐこと、課題と解決策をつなぐことの2つの意味を込めているのです。

当面の取組みは、米国・インドなど4カ国を想定

令和7年度から、「多様な関係者をつなぐ」官民連携体制として、本協議会が定期的及び随時の情報交換・交流等の場を提供し、企業が海外展開に当たり直面する課題やニーズの吸い上げ等に取組んでいきます。

令和8年度からは「課題と解決策をつなぐ」取組みとして、まず対象国や地域ごとの課題やニーズをリスト化し、解決策などを定めた、概ね5年間に渡るアクションプランを順次策定し、そのアクションプランに基づく施策を、在外公館や国際機関等とも連携して実施していきます。

当面の対象国は、経済成長と人口増加に伴い、アフォーダブル住宅の必要性が増大している、アメリカ、オーストラリア、インドネシア※、インド※の4カ国とし、順次拡充を検討します。

※インドネシア、インドは、アジアの中でも経済規模・成長率が大きい新興国2カ国であるため。最終的には、民間企業の意向や具体的なニーズ等も十分に踏まえて対象国、地域を選定します。

海外市場へのアクションとして、アメリカ・オーストラリア・ヨーロッパなどでは魅力ある先進国市場の拡大を、東南アジアおよび南アジアでは人口増加による高成長市場の獲得をそれぞれ目指していきます。

海外展開における日本の強みとしては、「制震・耐震・免震などの災害に強い建築技術」、「木造建築技術・省エネ技術などの持続可能な建築技術」、「工業化住宅や公営住宅、住宅金融制度などの住宅生産技術・制度」を掲げています。

まとめ

上図のように、住宅・建築海外展開連携協議会(J-HAB)が、日本の強みと海外市場をつなぎ、着実なプロジェクト化により、案件形成を後押ししていきます。

構成メンバーの住宅生産団体連合会(住団連)とは、住宅関連9団体で構成される一般社団法人で、プレハブ建築協会もその一つですが、正会員30社(住宅系企業)、準会員72社(主に建設業)からなる業界団体です。

今後、プロジェクトごとに複数の民間企業が参画していく運びとなり、積極的な海外展開が期待されます。

出典:「住宅・建築海外展開連携協議会 (J-HAB)」を設立します(国土交通省)

 

(本記事は、総合資格naviライター kouju64が構成しました。)