
2025年 建設コンサルタント業務額上位30社・業務分野別上位10社ランキング【建設知識 土木編】
建設コンサルタント登録企業数の推移について
建設コンサルタント登録業者は、「1998年度がピークとなる公共事業予算の減少を背景に、2003年度以降に減少に転じましたが、東日本大震災(2011年)を契機として再び増加に転じました。
一般社団法人 建設コンサルタンツ協会によると、国土交通省に登録している建設コンサルタントの企業数は2023(令和5)年3月時点で3,959社あり、うち同協会に加盟する会員企業数は504社ということです。
下表は、2014(平成26)年から2023(令和5)年まで、10年間の登録企業数、同協会会員数の推移をグラフ化したものですが、直近10年はほぼ横ばいであることがわかります。
建設コンサルタント企業を資本金規模別に見ると、資本金2,000万円未満の企業が全体の約5割を占めており、資本金5,000万円を超える規模の企業は約2割に過ぎず、全体では中小企業が非常に多いのが特徴となっています。
総合資格ナビでは、2025年1月に、2023年の建設コンサルタント「業務額上位30社」と「業務分野別上位5社」ランキングを紹介したところ、多数の方に閲覧いただきました。
そこで、本記事では、昨年より早めに、2024年の建設コンサルタント「業務額上位30社」と「業務分野別上位10社」について紹介します。ぜひ業界研究の参考としていただければ幸いです。
建設コンサルタント「コンサル業務額上位30社」ランキング
建設コンサルタントの「業務額」とは、設計業務、監理業務、調査業務など、売上額のうち建設コンサルタント業務の対価として支払われる金額のことを指します。
下記は各社の2024年1月~12月期決算業績をもとに作成した「業務額上位30社」ランキング表です。
前年同様、日刊建設通信新聞社が2025年9月24日に発刊した「建設人ハンドブック2026」に掲載された業務額を出典元としています。
2024年の国内公共市場は、防災・減災や国土強靭化などの影響で受注状況が好調となり、上位30社中23社が前年より業績を伸ばしました。上位陣は日本工営が首位を維持していますが、パシフィックコンサルタンツと建設技術研究所の順位が前年と入れ替わりました。
パシフィックコンサルタンツは前年と比べて12.5%増、建設技術研究所も4.2%増となり、どちらも業務額が500億円台半ばを突破しました。
上位30社の顔ぶれは前期とほとんど変わっていませんが、特に業績伸長が著しく、二桁増となったのは、パシフィックコンサルタンツ、パスコ、応用地質、中央復建コンサルタンツの4社でした。
中央復建コンサルタントは業務額が30.2%増加し、順位が33位から27位へと上昇してランク入りし、前期28位であった日本気象協会が今期は圏外となりました。
建設コンサルタント「業務分野別上位10社」
建設コンサルタントは、社会インフラの整備に関する計画から調査、設計、管理までを専門的な技術で支援していますが、その事業分野は多岐にわたります。
主な事業分野と事業内容は以下の通りです。
■河川・砂防及び海岸・海洋=治水・利水計画、ダム、堤防、砂防設備などの設計
■港湾及び空港=港湾施設や空港の計画、設計、整備
■電力土木=水力発電所などの電力供給施設の設計。
■道路=高速道路、一般道などの計画・設計、トンネル、橋梁
■鉄道=新線計画、既存路線の改良、駅などの設計
■上水道および工業用水道=上水道、工業用水道の計画・設計
■下水道=下水道施設の計画・設計
■農業土木・森林土木・水産土木=農業、森林、水産分野の土木施設整備
■廃棄物=廃棄物処理施設に関する計画・設計
■都市計画及び地方計画=都市再開発、地域計画策定
■鋼構造及びコンクリート=橋梁などの構造物の設計。
■建設環境=環境影響評価、再生可能エネルギー導入支援。
建設コンサルタント会社は、大手4社(日本工営、パシフィックコンサルタンツ、建設技術研究所、オリエンタルコンサルタンツ)は、総合的に各事業分野をカバーしていますが、建設コンサルタント企業の多くが、成り立ちから得意分野・専門分野を持ち、特定分野に特化した事業展開をしている企業も多くあります。
本記事では「部門別業務額上位10社」ランキング表を掲載します。
将来、建設コンサルタントで働くことを考えている学生は、多くが大学院で専門性を高めて、エンジニアを目指していくことになります。大学院では産学官連携プロジェクトに参加する機会もあり、建設コンサルタント各社の強みや技術、実績を早くから知っておくことが重要です。
近年はM&Aによる経営統合など業界再編や、異業種との連携、海外プロジェクト展開など、建設コンサルタント業界は活発な動きを示しています。
本記事を参考に、各自が志向する業務分野から業界・企業研究を進めていきましょう。
また前記事では、2023年(1月~12月)のランキングを掲載していますので、この機会に確認いただき、年次比較をしてみるのもよいでしょう。
前記事:7特集【11】建設コンサルタント「業務額上位30社」および「業務分野別」ランキングについて【建設知識~土木編~】
(本記事は、総合資格naviライター kouju64が構成しました。)