
三菱地所設計が土木分野をカバーする新サービス「CCM」を開始しました【建設NEWS】
組織設計事務所大手の株式会社三菱地所設計は、事業地検討、開発可能性・事業性検討、土地利用方針検討など、建設プロジェクトにおける土木分野にも切り込んでいく新サービスとして、2025年度より新たに「CCM(シビル・コンストラクション・マネジメント)サービス」を開始したことを発表しました。
本記事では、2025年5月7日付同社プレスリリースをもとに、新サービス「CCM」の概要と導入例を紹介します。
CCM(シビル・コンストラクション・マネジメント)サービスとは?
三菱地所設計は総合デベロッパーを核とする企業グループ(三菱地所グループ)に属しています。従来から建築のみならず、まちづくりや土木、CMなどの幅広い専門技術者を擁する総合設計事務所であることが特徴です。
特に同社 都市環境計画部は、大規模開発事業などを都市デザインや都市基盤設計、ランドスケープデザイン、環境マネジメント、交通マネジメントなど「都市を構築し、建築の設計へとつないでいく」多様な取り組みでサポートを行い、開発初期段階における「土地を有効に利活用するための土地選定・計画・整備」に関する知見を積み上げてきました。
「CCMサービス」は、建設プロジェクトを発注する事業者を、基本計画や基本設計の前段階である土地の選定や利用方針検討から支援する取り組みで、造成計画など土木分野もカバーするもので、建設プロジェクトの川上から川下までトータルで技術的にサポートすることで、プロジェクトの価値を最大限に高める支援ができる点をアピールしています。
下図は一連の建設プロジェクトフローにおける、「CCMサービス」導入による事業者支援の業務領域を示したものです。
現代の課題とニーズに応える「CCMサービス」
複雑さを増す社会環境の中で、建設プロジェクトを円滑に進めていくには、「事業者側で行う業務」の実行支援や、成果物の質の向上を図る、CM(コンストラクション・マネジメント)業務が広く普及していくことが不可欠となっています。
三菱地所設計は、これまでもコンストラクション・マネジャー(CMr)として、さまざまなプロジェクトへ参画してきましたが、そのプロジェクトのさらに上流にあたる「土地選定、企画・基本構想の段階」からCMrが参画し、土地そのものを有効・効率的に活用するサポートを行う仕組みは、業界全体を見渡しても十分に行き届いてはいませんでした。
そこで「CCMサービス」では、この「土地の有効かつ効率的な活用を最大化する」という課題の達成に向けて、事業の上流段階から参画し、事業地検討、開発可能性・事業性検討、土地利用方針検討といった初期検討フェーズでの取り組みで事業者を支援していきます。
事業費高騰や社会情勢の不安定化などを背景に、建設プロジェクトの実行性を高めることが業界の重要課題となっていますが、「CCMサービス」は建築に関わる業務だけではなく、その前段階からプロジェクトに参画することで、確度の高い課題解決策を早期から提供するトータルマネジメントにより、建設プロジェクトの合理的な推進が期待できます。
また、地域貢献や環境配慮など今日の事業を取り巻くさまざまなテーマにも各分野の知見で応え、事業者のサステイナビリティ施策の実現を支えていくものです。
CCMサービス提供例
三菱地所設計では、すでに幅広い「CCMサービス」関連業務を展開しているとのことで、今回リリースにおいて、「CCMサービス提供例」として発表された建設プロジェクトは下表の通りとなっています。
まとめ
三菱地所設計では、「CCMサービス」の当面の年間売上高目標を2億円と掲げています。特に郊外など非市街地へ進出を検討している事業者(物流、工場、スポーツ施設、教育機関など)や、遊休地を保有し、その有効活用・再利用を検討されている事業者(メーカー、自治体など)を中心に、サービスの受注を増やしていく計画です。
本記事作成にあたり、下記、三菱地所設計プレスリリースを参考としました。ご興味ある方はぜひご覧ください。
三菱地所設計プレスリリース:CCM《シビル・コンストラクション・マネジメント》サービスの提供を開始
(本記事は、総合資格naviライター kouju64が構成しました。