清水建設がマリコンのあおみ建設を250億円で買収、海洋土木を強化【建設NEWS】
2026年1月29日、大手ゼネコンの清水建設は、海洋土木工事や地盤改良工事を主力とするマリコン大手のあおみ建設を約250億円で買収し、完全子会社化することを発表しました。
この買収は、清水建設が成長分野と位置づける海洋土木工事、特に洋上風力発電などの事業基盤を強化することを目的としています。本記事では、買収の概要と背景、今後の展望などについて解説します。
清水建設による、あおみ建設買収の主な概要
清水建設がプレスリリースで公表している、あおみ建設買収の概要は次の通りです。
清水建設による第一回第三者割当増資では、2026年3月30日に、あおみ建設が清水建設に対して新株引受権利を割り当てた株式667株を発行します。
清水建設がこの新株を取得することにより、発行済み株式の過半数を取得することになり、あおみ建設はこの時点で清水建設の連結子会社となります。
2026年6月下旬の第二回第三者割当増資では、あおみ建設がさらに新株引受権利を割り当てた株式583株を発行し、清水建設が取得して保有株を1250株にするとともに、あおみ建設では自己株式の取得や償却を実施して清水建設の完全子会社となる予定です。
あおみ建設の概要や清水建設による買収の背景
今回の買収には、どのような背景があるのでしょうか?
まずは、あおみ建設の概要や建設業界における業績などを紹介していきます。
あおみ建設とはどのような企業か?
あおみ建設は、総合建設業として海洋・港湾土木を中心に、陸上土木や地盤改良工事も手掛けています。売上の半分以上を海洋工事が占めていることからも、その分野での高い技術力と豊富な実績がうかがえます。そのため、同社はマリコン大手として位置付けられます。
あおみ建設の2025年3月期決算売上高は271億円で、土木が売上のほぼすべてを占めています。
強みとする海洋工事では、「横浜港におけるコンテナ埠頭の岸壁改良工事」や「和歌山下津港における防波堤築造工事」、「伊勢湾海上における中部国際空港の建設工事」などを手掛けた実績があり、2025年3月期の海洋工事売上高は129億円で業界6位でした。
下図は建設業界における「海洋工事の売上高ランキング」です。
清水建設による買収の背景
近年、大手建設業では土木売上が好調で増進が続いています。大型M&Aによる経営統合の動きも活発化しており、2025年は大成建設による海洋土木大手の東洋建設買収や、三井住友建設を完全子会社化したインフロニア・ホールディングスの経営統合がありました。
清水建設も傘下に日本道路がありますが、グループとしての連結土木売上は3985億円で、他グループと比較すると、唯一4000億円を下回っていました。(下図)
清水建設は中期経営計画(2024年度-2026年度の3カ年計画)において、土木事業戦略としてM&A推進を掲げており、事業戦略のなかでも、洋上風力発電施設の設計・建設や運用ビジネスの受注拡大を課題として挙げています。
今回のあおみ建設買収は、これらの事業戦略に沿った施策となります。
清水建設はプレスリリースのなかで、※「あおみ建設の建設事業者としての経営ノウハウ・経営資源について、土木事業分野及び今後市場の成長が期待される洋上風力事業分野における協働・融合を図り、グループ一体で更なるシナジーを実現し事業拡大を推進することにより、一層の企業価値向上を目指して」いくとしています。
※「 」内は、清水建設プレスリリースより引用しています。
あおみ建設にとっても、土木専業で海洋・港湾工事事業に強みをもつことに加えて、大手ゼネコングループ入りすることで、経営の安定化や人材確保が容易となり、大型プロジェクト受注に繋がるなど、大きなメリットがあるでしょう。
まとめ
建設業界では人手不足や将来的な需要増を見越した、大手ゼネコンによるM&Aを基点とする業界再編が続いています。
大成建設が1600億円を投じた、昨年の東洋建設買収や、大林組による半導体工場やデータセンターに強みを持つ米建設会社GCONや水処理関連施設建設の米大手MWHなど海外企業買収が話題となりましたし、先述のインフロニアHDによる三井住友建設買収や、2025年12月に住友電設を対象としたTOB(株式公開買い付け)を成立させた大和ハウス工業など、大手建設業による事業領域拡大や経営安定化と成長戦略を狙ったM&Aの動きが活発になっています。
清水建設によるあおみ建設買収は、定評ある洋上風力発電施設関連工事の技術力をグループに統合することにより、大型プロジェクト参画を狙うなど、戦略的な要因によるものです。清水建設は2023年に札幌市の地場建設会社である丸彦渡辺建設の買収も行っており、今後もM&Aを通した競争力強化に注力していく方針です。
2026年も1月から大型経営統合の動きとなりましたが、本年も建設業界再編の動きからは目が離せないようです。
業界・企業研究では経営統合後の各社の動きにも注目していきましょう!
総合資格ナビでも続報があれば紹介していきますので、乞うご期待ください!
出典:あおみ建設株式会社の第三者割当増資引受による連結子会社化に関するお知らせ(清水建設プレスリリース)
(本記事は、総合資格naviライター kouju64が構成しました。)



