東京建物がデータセンター開発事業を開始!第一弾は1000億円で大阪南港エリアへ【建設NEWS】

AIの普及に伴う需要急増により、世界的にデータセンター事業が活況となっています。

国内のデータセンター建設は、大和ハウス工業、大林組、清水建設、大成建設など大手ゼネコンが大規模案件を主導し、DCパークやコンテナ型施設の建設が急増している状況です。

施主はソフトバンク、NTT、KDDIなどの通信業界やSIer(システムインテグレーター)等であり、施設への再生可能エネルギー活用や郊外の用地確保も活発化しています。

このような動きのなか、デベロッパー大手の東京建物は2026年1月30日付プレスリリースで、シンガポールのSC Zeus Data Centers(以下SC Zeus) と共同開発で、国内初となるデータセンター開発事業を本格始動したことを発表しました。

本記事では、リリースをもとに本事業の概要やセンターの特徴について紹介します。

ハイパースケールデータセンターZeus OSA1開発の概要

本事業は、東京建物が不動産開発事業で培った経験と、アジア太平洋地域を中心にデータセンターの企画から運営までを手掛けるSC Zeusの先進的で堅牢かつ高効率、そして環境にも配慮したグリーンなハイパースケールデータセンターの企画・開発・運営の知見を活用しながら共同で推進するものです。

第1弾は、大阪市で2028年稼働を目指すデータセンター「Zeus OSA1」で、総事業費に約1000億円を投じる開発となります。

Zeus OSA1はハイパースケールと呼ばれる大型データセンターに当たり、供給電力容量は25メガワット(MW)に上ります。建物は鉄骨造の地上7階建てで、延べ面積は約1万9000m2。地震時に継続運用できるように免震構造を採用しています。

本事業では、土地・建物に加えてデータセンター専用設備を保有し、クラウド・サービス・プロバイダーやエンタープライズに対して、サーバースペースと電力供給等のサービスを提供するものです。

建設地は大阪中心部のインターネットエクスチェンジから約10㎞に位置する大阪南港エリアで、金融取引、リアルタイムAI推論などの高度な情報処理を可能にする低遅延ネットワーク接続を可能としています。

Zeus OSA1は2025年12月に着工しており、2028年に第1期稼働開始を予定しています。

下表はZeus OSA1の事業概要をまとめたものです。

Zeus OSA1は、建物の設計・監理をアジアを拠点に都市開発を手掛けるシンガポールのMeinhardt groupの日本支社であるMeinhardt Japan(東京都千代田区)が手掛けます。

施工は建築工事を東洋建設、設備工事を建大(東京都大田区)がそれぞれ担当します。

土地と建物は、東京建物やSC Zeusなどが出資する海インベストメント特定目的会社(東京都港区)が所有します。

データセンターに必要な設備の企画やテナント企業誘致はSC Zeusが担当し、各種サポートや建設会社とのやり取りなどは東京建物が担当します。

使用するサーバーやラック等は入居するテナント企業が自前で準備することを想定しています。

省力化と工期短縮や品質を両立する海外プレファブを採用

東京建物はデータセンター開発が今回初で、後発となりますが、Zeus OSA1で強みとして掲げているのは、部材やモジュール(電源、冷却等機能単位で独立した構成ユニット)を事前に海外の工場で製造し、輸入して、建設現場で組み立てを行うプレファブリケーションを活用した機械・電気・配管(MEP)施工方式を導入している点です。

この施工方式を導入することで、日本市場で深刻化するMEP専門人材不足への対応と工期短縮・品質安定化を同時に実現することができます。

AI ワークロードの高度化に伴う高い電力負荷需要に備え、冷却効率が高い液冷に対応した冷却方式を採用し、ラック当たり最大130kWの高電力密度に対応できる点や、予備設備を備えて万一のトラブルにも対応できる体制を整えながら、高効率設計(PUE51.19を実現)により、最新AIアプリケーションに必要な高性能環境を提供可能です。

将来を見据えたデータセンター開発への展望

東京建物は2030年を見据えた長期ビジョン「次世代デベロッパーへ」において、2025~2027年度の中期経営計画で、新規事業の確立を重点戦略としており、その一環としてデータセンター開発事業を推進しています。

第一弾としてZeus OSA1を展開し、今後も年1件程度のペースで開発を目指します。既に第2弾用地もZeus OSA1の隣地を開発地として確保しています。

東京建物は、これまでの不動産開発の知見を生かしつつ、好立地の確保や持続可能性、地域との共生を重視してデータセンター開発事業に取り組んでいく方針です。

 

出典:大阪南港エリアのハイパースケールデータセンター「Zeus OSA1」2025年12月着工、2028年第1期稼働開始(東京建物プレスリリース)

 

(本記事は、総合資格naviライター kouju64が構成しました。)