2027年卒、「新卒採用戦線の見通し」をお伝えします!【就職情報】

早いもので、2026年1月も半ばをすぎました。毎年、動きが早い建設系の新卒採用は、昨年末までに水面下で順調に早期選考が進んでいます。すでに内々定を取得している学生も多くなっていますが、まだこれから就活が本格化していきます。

同時に2028年卒以降の学生たちも、新年を迎えて、建設業界の採用動向やインターンシップ情報などが気になるタイミングを迎えていると思います。

この数年、建設業界では深刻な人手不足を背景として、「超売り手市場」と「選考の極端な早期化」が続いていて、油断ならない新卒採用戦線となっています。

そこで、本記事では「2027年卒 新卒採用戦線の見通し」についてお届けしたいと思います。

2028年卒以降の学生も、この機会にチェックしておくと良いことがありそうです!

採用意欲は依然旺盛、建設業は2040年問題への備えが課題

2027年卒に関して、企業の新卒採用意欲はどのような状況でしょうか?

2025年12月にキャリタスが公表した企業調査結果では、2027年卒の採用人数見込みは、半数以上(56.2%)が「今年度(26年卒)並み」と回答し、「増える見込み」15.8%に対し「減る見込み」は9.2%で、「増加」が「減少」を上回りました。

また、リクルートワークス研究所(株式会社インディードリクルートパートナーズ)が実施した調査では、ほぼ半数(49.5%)が「今年度(26年卒)と変わらない」と回答し、「増える」11.5%に対して、「減る」は6.1%で、その差異D.I.は5.4となりました。

2026年卒のD.I.は7.8なので、マイナス2.4となり、少し落ち着いた感もあります。

リクルートワークス研究所では、業種別の新卒採用見通しについても調査しており、各業種の調査回答は下表の通りですが、建設業は377社が回答して、「増える」11.9%に対して、「変わらない」51.7%、「減る」5.8%で差異D.I.は6.1となりました。

これらの結果から、企業の採用意欲は依然として旺盛で、来期も継続見込みであり、特に建設業の新卒採用は底堅い状況であるといってよいでしょう。2026年卒採用で採用数を充足できないまま活動を終えた企業は多く、その分を充足させたい考えから、採用計画数の増加につながっているケースも多いと思われますし、建設業においては業績好調で建設需要も高まっていることから、専門性の高い人材を早期確保したいと考える企業が多いと思われます。

建設業では大学生・大学院生からの採用は技術職中心ですが、現在では人手不足が常態化している技能職を合わせて、2040年問題※への対処は重要な課題となっています。採用コストは年を追うごとに上昇していますが、採用予定数を減らせない状況と考えられます。

※「建設業の2040年問題」

「建設業の2040年問題」とは、団塊ジュニア世代が65歳以上になり高齢者人口がピークを迎えることで、熟練技能者の引退と若年層の減少が同時に起こることで、深刻な人手不足が加速し、既存インフラの老朽化対応や新規建設需要への対応が困難になる社会課題の総称です。2040年には、建設技能者が最大87.4万人不足するとの試算もあり、生産性向上のために外国人材の登用や働き方改革、雇用延長などによる対策が急務となっています。当然、一番の対策は新卒採用と育成・定着になります。

2027年卒採用に向けて企業は早期対策に注力

2027年卒の採用に向けて、企業が課題としているのは「早期対策」への注力です。下表はキャリタスが実施した企業調査結果をグラフとしたものです。

取組みで最も多いのは、「早期接触学生のフォロー」で53.5%と半数を超えています。続けて、「大学との関係強化」50.0%、「インターンシップ等の実施・見直し」43.5%、「プレ期の活動」43.4%、「内定者のフォロー」43.1%と続きます。

採用広報解禁前に、いかに学生と接触し、認知度や志望度を上げるかが、採用の成否を握るとしており、インターンシップをはじめとして、学生との接点を増やす働きかけが活発になっています。

2027年卒の面接・内定状況について

2027年卒の採用活動は現在進行形で進んでいますが、面接開始や内定出しは前年度(26年卒)と比較して、さらに早期化が進んでいます。

まず面接では、前年度(26年卒)は3月開始が最も多かった(22.2%)ところ、2027年卒では12月が最も多く(15.5%)、年内面接開始が約半数(48.9%)に上る状況です。

内定出し開始も12月が最多(17.7%)で、3月(16.0%)、4月(14.9%)と1月以前の数値が前年実績を大きく上回る結果となりました。

気になる、2027年卒の内々定状況ですが、現在時点では株式会社学情が、2025年1月6日付リリースで、2027年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生147名に対するアンケート調査結果として、理系は2025年12月末現在で、46.3%の高内々定率で早くも5割近くに達していると発表しました。

文系も合わせた全体の内々定率は12月末時点37.4%で、前年(26年卒)36.6%と比べると微増の結果です。

学情によると、11月末時点の内々定率が前年同時期の倍近い29.3%と前倒しが著しく、12月に入り伸びが鈍化しているようです。

政府主導の就活スケジュールは、2029年春以降入社の学生から見直しすることを目指して検討が進められており、現行ルール(3月広報解禁・6月選考解禁)の形骸化を受けて、今後大きな変更がある見込みです。但し、2027年卒の実態としては、インターンシップ経由の早期選考がめざましく進んでいる状況です。

学生に対するアドバイスとしては、12月段階の内々定は、もちろん意中の企業から内々定を得ている学生は存在するものの、多くは複数社へ応募予定としており、入社決定とはほど遠い実態と、やはり首都圏や大都市圏は動きが早いものの、地域格差が大きく地方では選考が進んでいないことと、学情の発表は全体でも150名弱の回答にすぎないので、参考程度の情報ということで、仮に現時点で内々定を得ていなくても、着実に就活を進めているならば、焦りを感じたりする必要はないと思います。

学生にとって早期選考はチャンスになるのか?

就活で進路を検討していく学生にとって、早期選考はチャンスといえるのでしょうか?

大学に入学した頃から、将来の仕事を強く意識している学生もいる反面、学部で学ぶことによって徐々に興味が高まり、専門科目を履修していく段階で自分の興味・関心が明確になり、志望・適性に合わせて大学院進学や就職先業界・企業を意識する学生の方が大多数であることを考えれば、早すぎる選考開始は良いことばかりではないと思います。

但し、採用活動を進める企業側でも、企業の社風と学生のマッチングを重視する方向性を検討するようになり、給与・待遇の改善や選考を急ぐだけではなく、座談会や現場見学ツアーの実施など「プレ就活期の学生の学び」を充実させる企業が増えています。

学生にとって、早い段階から業界・企業の仕事に触れる機会に参加することは、大変有意義であり、気負う必要はなく、積極的に就業体験を積んでいけばよいと思います。

一方で、三菱地所は、2027年卒採用(2025年実施分)から、過熱する就職活動への問題意識から、サマー・ウィンターインターンシップにおける選考(早期選抜)を廃止することを発表しました。

これは「インターンシップの中止」というよりは、「選考目的のインターンシップをやめる」という決断であり、学生が学業や課外活動に集中できる時間を取り戻すことを目的として、就活の「早期選考」という常識に一石を投じるものとして注目されています。

大手人気企業ならではの決断ともいえるため、他企業が追随するかどうかは未知数ですが、前記事で紹介した、ロート製薬による「ES選考廃止」と同様に、学生に「受験対策」として、個性や資質と乖離した就活準備に時間を費やさせることをやめて、対話重視の採用選考を、適正な時期に実践していこうという試みに通ずるものかもしれません。

学生にとっては、大学が実施するキヤリア教育や企業が実施するオープンカンパニー等で、業界の仕事について知る機会が多くなることは、在学中の学びや卒業後の進路選定に大いに役に立つものです。

大手ゼネコンや組織設計事務所等で設計職を目指している場合は、人気も高く、採用人数も限られることから、激しい競争に対峙すべく早期選考のテーブルに乗る必要があります。しかし、大手でも地方採用を重視する総合建設業や中堅・中小規模の設計事務所、建設会社などは早期選考を行っていない場合もあります。

学生も全国大手企業から中堅、地方中小まで、様々な層の企業を研究し、活動をしてみるべきです。活動の中で自身が思い描く仕事やキャリアプラン、ライフスタイルを具体化して、自分の志望に合った選択をしていくことが重要です。

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出典:採用見通し調査(新卒:2027年卒)リクルートワークス研究所2025.12.23

出典:2027年卒 就職・採用戦線の見通し キャリタス 2025.12.1

出典:【27年卒内々定率調査】12月末の内々定率37.4%、4割に迫るも前年比微増。文系33.1%、理系は46.3%の高率で早くも5割近くに(学情2025.1.6リリース)

 

(本記事は、総合資格naviライター kouju64が構成しました。)