日本発デジタルツイン技術でインドネシア・タイ・マレーシアのインフラ管理へ展開【建設DX】

2026年2月25日、DataLabs株式会社は、ASEAN3ヵ国における「デジタルツイン技術を用いたインフラアセットマネジメント市場調査事業」が経済産業省の令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・F S事業)に採択されたことを自社のプレスリリースで発表しました。

この事業は、インドネシア共和国・タイ王国・マレーシアで日本発の高度なデジタルツイン技術による維持管理手法を社会実装することを狙いとして調査するものです。

本記事では、DataLabsのリリースをもとに、調査事業の背景や目的、事業概要、経済産業省が進める令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金制度について解説します。

ASEANの老朽化インフラを日本発の技術で救う

ASEAN諸国では、急速な経済発展に伴う新設インフラの整備が進む一方で、既設インフラの老朽化対策が急務となっています。

しかし3Dデータを用いた維持管理(アセットマネジメント)の商業利用や制度化は未整備な領域が多く、高度な管理手法の構築が求められています。

DataLabsは、日本で国土交通省との実証実験などを通じて、インフラの点検・補修・維持管理プロセスを3Dデータで一元管理して工期短縮やコスト削減を実現する技術を確立してきました。

今回の事業は、この日本発のインフラDX技術をアジアの成長市場である、グローバルサウス諸国へ展開し、現地インフラ課題の解決と日本発の技術をデファクトスタンダード化(事実上の標準化)することを目指すものです。

グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金制度とは?

令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)とは、経済産業省がグローバルサウス諸国の市場活性化と日本との経済連携の強化を目的に、日本企業が実施する①FS事業や➁小規模実証事業に係る費用の一部を支援する補助金制度です。

対象となる国・地域(グローバルサウス諸国)は下図が示す通りです。

対象となる分野は①GX分野、➁DX分野、③経済安保分野があります。

支援対象となる事業には、①FS事業と➁小規模実証事業があり、今回、DataLabsの「デジタルツイン技術を用いたインフラアセットマネジメント市場調査事業」は①FS事業として採択されました。

この①FS事業の定義・条件は「グローバルサウス諸国において、案件組成段階で事業化の可能性を調査する事業」であり、具体的には、実行可能性や採算性などを調査することを指します。

調査・検討する内容は、事業の外部要因として政治、法制、規制、経済、技術動向、自然環境、社会環境といったマクロ環境と、業界の動向、市場調査、競合状況、財務的可能性(IRRを含む。)等の個別案件のミクロ環境の調査を含むものとして、企業が行う個別案件の組成段階での調査が対象となり、実証事業は対象外です。

下図は、経済産業省が示している①FS事業の補助金制度概要です。

出典:令和6年度補正 グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)特設HP

デジタルツイン化技術を用いたインフラアセットマネジメント市場調査(概要)

「デジタルツイン化技術を用いたインフラアセットマネジメント市場調査」事業では、以下、3つの項目を検証するとされています。

1.現状調査・課題整理

各国の国家計画(インドネシアの大規模インフラ投資、タイのDigital Thailand、マレーシアのMyDigital等)におけるデジタルツインの位置づけを整理する。

2.導入可能性の総合分析

既設・新設インフラおよびスマートシティ開発における、3Dアセットマネジメントの制度適合性や技術的要件の検証を行う。

3.現地当局・企業との共創

各国政府機関(PU: インドネシア公共事業省、DOH: タイ運輸省道路局 、KKR: マレーシア公共事業省等)へのヒアリングや展示会出展を通じたネットワーク構築とパイロット導入に向けた協議を行う。

2027年以降の本格事業化を目指し現地政府と連携

「デジタルツイン化技術を用いたインフラアセットマネジメント市場調査」の本調査(FS)※完了後は、現地政府とのMoU締結※や都市レベルでのパイロット導入を経て、2027年以降の本格的な事業化を計画しており、将来的にはASEAN諸国全域への横展開を狙っています。

この動きが加速されることで、日本の建設コンサルタントや測量・IT関連産業の海外売上拡大と国内雇用の創出に寄与していくことが大いに期待されています。

 

※本調査FS(Feasibility Study、フィージビリティスタディ)は、新規プロジェクトや事業計画が「技術的に可能か」「採算が取れるか」「事業として成立するか」を多角的に調査・分析・評価する実現可能性調査のことです。

※MoU(Memorandum of Understanding)締結とは、企業間取引やM&A、国際的な提携において、双方が合意した基本事項をまとめた「基本合意書」や「覚書」を取り交わすことです。

■企業概要の紹介

・社名:DataLabs株式会社

・所在地:東京都中央区日本橋小舟町8-6

・設立 :2020年7月

・代表:代表取締役 田尻 大介

・企業ホームページURL : https://datalabs.jp/

DataLabs株式会社は、「3次元データで建設業を変革する」をミッションに掲げ、あらゆる建設業務を効率化するクラウドシステムの提供を行うスタートアップ企業です。

3D配筋検査システム「Modely」や「3D InfraLoop」(3Dインフラ補修工検査システム「Hatsuly」、3Dインフラ点検システム「Markly」)を開発・提供しています。

 

★本記事はDataLabs株式会社プレスリリースを参考に構成しました。

調査事業に関するお問い合わせは、下記に表示する同社リリースに掲載する窓口へご連絡ください。

出典:DataLabs、インドネシア・タイ・マレーシア/デジタルツイン技術を用いたインフラ管理調査事業が、経済産業省の令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)に採択(DataLabs株式会社プレスリリース)

(本記事は、総合資格naviライター kouju64が構成しました。)